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小さい生き方 37

 2018-08-24
女優のミムラが出演していた対談番組で、彼女が、とても
興味深いことを話していた。ミムラは、フェルメールの名
画「女主人と召使」の中の、女主人を目標にしているとい
う。その絵は、召使いが女主人に手紙のようなものを渡そ
うとしている場面が描かれている。絵の中の女主人は、と
てもリラックスしていて、召使いとの親しい距離感や信頼
が、とてもうまく表現されていると、ミムラは語る。ミム
ラは、良い芝居をするために「無意識」の状態を作りたい
と考えているという。ミムラにとって「ふうっ」と脱力し
た瞬間を切り取ったような、絵の中の女主人は、無意識を
目指すための一番の目標になるということだ。
さて、私も美術鑑賞は好き(特にフェルメールは大好き)
だが、ミムラほど一つの作品に、こんなにも重要な意義を
もたせているものはない。せいぜい「美しい」とか「好
き」とかいった感想をもつ程度だ。ミムラの感性がすごい
と思うのは、ひとつの作品から感じ取ったものを、女優人
生の目標にまで進歩させているところだ。
「オタク」の私の、数少ない外出のきっかけのひとつが、
美術館だ。展覧会の情報は、TV番組、新聞、ネットのチェ
ックを欠かさない。だけど私は、ミムラのように、美術鑑
賞を人生の目的につなげているだろうか。平和主義の私
は、ただ、静かな場所を好んでいるだけなのかもしれな
い。美術品を愛する自分に酔っているのかもしれない。実
は女性にモテたいのかも(これは、確実にあると思う)。
話は変わるが、先日、災害で行方不明となっていた2歳の子
供を、ボランティアの男性が救出したというニュースがあ
った。それを観て、ボランティアの男性みたいな人になり
たいと思った。だが、現実、自分がなれるとは到底思えな
い。なる努力もしないだろう。だけど、そういう人の存在
を知っただけでも刺激になる。そして、自分が出来ること
を考えたい。人のためになることを、楽しみながら、した
い。だが、楽しみながらできることはなんだろう。
人生後半の生き方として、肩肘張らずに、楽しみながら、
美しい行動をすることを目標にしている。美術鑑賞は、美
しい行動につながるのではないか。美的センスが磨かれれ
ば、誰かに素敵なプレゼントを選ぶことができるかもしれ
ない。美術品(美しいもの)を話題にすれば、会話が明る
くなる。さりげなく、小さいことで、人を明るい気持ちに
させることが、美しい行動だと思っている。
いつも申し訳ないと思っていることがある。百貨店に行っ
た際には、必ず画廊を覗くが、買ったためしはない。とい
うか私の小遣いでは買いたくても買えない。そのうえ、店
の人の説明は、しっかり聞いて、タダ観、タダ聞き、を洒
落込んでいる。まあ、いつも空いているから、店員さんの
暇つぶしになるだろう、ということで許してもらうことに
する。そんな私も唯一、美術館に行った際にはポストカー
ドを買う。10枚買っても2千円でおつりが来る。そして、
それを100円ショップで買った額縁に入れて家に飾ってい
る。世界最貧コレクターとして、ギネスに載る日も近いだ
ろう。コレクターと呼べるかどうかは疑問だが・・・

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